Special Interview, ゴ・エ・ミヨ, 特集

【特別レポート】世界的な美食ガイド「ゴ・エ・ミヨ」日本版第2号が刊行。ポケットコンシェルジュ掲載店は100店舗

【特別レポート】世界的な美食ガイド「ゴ・エ・ミヨ」日本版第2号が刊行。ポケットコンシェルジュ掲載店は100店舗

2017年12月12日(火)、世界20か国で刊行されている歴史ある美食ガイド「ゴ・エ・ミヨ」の日本版第2号が刊行された。運営元のガストロノミー・パートナーズ株式会社(所在地:東京都港区、代表取締役社長:エルヴェ・クライ氏)は、刊行日8日前の12月4日(月)にウェスティンホテル東京にて授賞式を開催。「ゴ・エ・ミヨ ジャポン」編集長の宮川俊二氏とアンバサダーで女優のクララ・ボタン氏の司会進行のもと、19名のシェフならびに生産者を表彰。特別ゲストとして、フランス・パリより『アストランス』のパスカル・バルボシェフが来日し、受賞者を祝福した。本編では、受賞者や「ゴ・エ・ミヨ」の取り組みを、番外編では、12月3日(日)に、「ゴ・エ・ミヨ」企画として開催された『アストランス』×『カンテサンス』のコラボイベントのレポートを紹介。

Contents
1. 料理人やサービスだけにとどまらず、生産者の価値も評価するガイドブック
2.「ゴ・エ・ミヨ 東京・北陸・瀬戸内2018」のポケットコンシェルジュ掲載店一覧
3.【番外編】『アストランス』×『カンテサンス』、夢のコラボイベントが実現

 

料理人やサービスだけにとどまらず、生産者の価値も評価するガイドブック

「ゴ・エ・ミヨ」は、1962年にアンリ・ゴとクリスチャン・ミヨの2人の食ジャーナリストが手掛けたパリのレストランガイドが起源となる。以来、長きに渡り、世界中のさまざまな一流レストランを掲載してきた。そして今回、記念すべき第2号が刊行された、日本版イエローガイド『ゴ・エ・ミヨ 東京・北陸・瀬戸内2018』では、質の高い食材、料理人、サービスに加え、「テロワール」にも着目。「テロワール」とは、フランス語で土地、地域性を意味し、国内主要都市以外の地方のレストランだけでなく、生産者にも注目して評価しているのが「ゴ・エ・ミヨ」の特徴。また、2018年1月には、すべて地方に限定し、レストランや生産者に焦点を当てた“ホワイトガイド”も刊行予定だ。

評価方法は、料理のみならず予約の電話から始まり、食事を済ませて店を出るまでの、レストラン体験全体を考慮に入れ、最終的に各店の0.5~20までの点数とその点数に応じた1~5までのトック(コック帽)を表示(一部、点数のみで「トックなし」もあり)。また、第2号より「POP」という新たなジャンルを設けている。ここでは、ガストロノミーの精神がありつつも、より生活の一部となるような気軽に訪れることのできるレストランを掲載。トック・点数でのトータル的な評価ではなく、特筆すべき点をメインに文章にて紹介している。

さらに、今回授賞式が開かれたように、「今年のシェフ賞」「ホスピタリティ賞」など、食の現場で活動するプロフェッショナルな方々を称える独自の表彰制度も設け、ガイドブックにはそれぞれインタビュー記事も掲載している。

2018年度、「ゴ・エ・ミヨ ジャポン」各賞は以下の通りだ。

<今年のシェフ賞>

ゴエミヨ_2

調査した店舗の中で、才能を縦横に発揮し最も斬新で完成度の高いインパクトのある料理を出した料理人を表彰。写真左から『エスキス』(東京・銀座、フランス料理)のリオネル・ベカ氏、『虎白』(東京・神楽坂、日本料理)の小泉瑚佑慈氏、『アコルドゥ』(奈良・近鉄奈良、モダン・スパニッシュ)の川島宙氏。

<明日のグランシェフ賞>

ゴエミヨ_3

確かな基本技術で店舗に貢献し、その才能に将来のグランシェフへの可能性を認められた料理人を表彰。写真左から『シンシア』(東京・千駄ヶ谷)の石井真介氏、『オード』(東京・広尾)の生井祐介氏。受賞者の一人『新ばし 星野』(東京・西新橋、日本料理)の星野芳明氏は仕込みのため不参加。

<期待の若手シェフ賞>

ゴエミヨ_4

才能と情熱、技術とが今後の活躍を大いに期待させる新進気鋭の料理人を表彰。写真左から『ル・プティ・ブドン』(東京・代官山、フランス料理)の澁谷瑛子氏、『ティルプス』(東京・白金台、イノベーティブ・フュージョン)の田村浩二氏、『クローニー』(東京・西麻布、フランス料理)の春田理宏氏、『アミラル』(広島・呉、フランス料理)の永島茂明氏。

<ベストパティシエ賞>

ゴエミヨ_5

レストランデザートを作るパティシエを対象とし、確かな技術と才能を発揮して、そのコース料理の締めくくりにふさわしいデザートを出したパティシエを表彰。選ばれたのは『エスキス サンク』(東京・銀座、デセール専門レストラン)の成田一世氏。

<トランスミッション賞>

ゴエミヨ_6

培ってきた知識と技術を、時に国を超え、世代を超えてトランスミッション(=伝える)することに多大な貢献が認められた料理人を表彰。いまでは同レストラン出身の料理人が目覚ましい活躍を見せる、『レストラン タテル ヨシノ 銀座』(東京・銀座)の𠮷野建氏が受賞。

<ベストPOP賞>

ゴエミヨ_7

トックの評価以外に、2018年版ガイドブックで新たに設けられた、特筆すべき点があり、カジュアルに楽しむことのできるレストランを紹介する部門「POP」。その中で最も優れたレストランとして『ビストロ・マルクス』(東京・銀座)が受賞した。

<イノベーション賞>

ゴエミヨ_8

自身のキャリア、料理哲学、店舗のコンセプトなどにおいて、挑戦することを選び、新たな切り口で一歩を踏み出した料理人として表彰された『レ クゥ』(福井・高柳)の阪下幸二氏。

<ホスピタリティ賞>

ゴエミヨ_9

独自の哲学に基づいて、ほかでは体験できない「おもてなし」のスタイルを持ち、施設を取り巻く環境、館内の設えはもちろん、訪れた人の期待を上回るような気遣いが行き届いている宿泊施設が受賞。左から『薪の音(まきのおと)』(富山・南砺)の山本誠一氏、『別邸 音信(べってい おとずれ)』(山口・長門)の大谷和弘氏。

<テロワール賞>

ゴエミヨ_10

その土地の風土や食材、育まれてきた文化に敬意を持ち、料理または食材を通じてその土地の文化や作り手の想いを伝えることを、信念をもって志す生産者が受賞。写真は、数々の有名レストランを取引先に持つ『NOTO 高農園』(石川・七尾)の高利充・博子夫妻。また、岡山県加賀郡にあるチーズ工房『吉田牧場』の吉田全作氏も受賞したが、チーズ作りに専念するため表彰式には不参加。その代理人として、吉田氏と十数年の付き合いとなる『ラ・ベットラ・ダ・オチアイ』(東京・銀座)の落合務氏が受賞品を受け取った。

<トラディション賞>

ゴエミヨ_11

その土地が育んできた伝統文化を守り、時に挑戦を試み、次世代へつなぐ知識と技をたゆまぬ努力で磨き続ける職人に与えられる賞。今回は、国内外のトップシェフ御用達の庖丁ブランド『高村刃物製作所』(福井)が受賞した。

「ゴ・エ・ミヨ 東京・北陸・瀬戸内2018」のポケットコンシェルジュ掲載店一覧

「ゴ・エ・ミヨ 東京・北陸・瀬戸内2018」では、東京、北陸三県(福井・石川・富山)、瀬戸内三県(岡山・広島・山口)の西洋料理および日本料理店を約470店舗を紹介しており、そのうちポケットコンシェルジュ掲載店は100店舗(2017年12月現在)だ。本章では、それぞれのトック数ごとの、ポケットコンシェルジュ掲載店舗を一挙に紹介。

※店名をクリックするとポケットコンシェルジュの掲載ページにジャンプします。

【5トック(19~20点)】

東京・北品川『カンテサンス』(フランス料理)
東京・六本木『日本料理 龍吟』(日本料理)
東京・元麻布『かんだ』(日本料理)

【4トック(17~18.5点)】

東京・神宮前『フロリレージュ』(フランス料理)
東京・西麻布『レフェルヴェソンス』(フランス料理)
東京・芝公園『くろぎ』(日本料理)
東京・銀座『レストラン スリオラ』(スペイン料理)
東京・六本木『Restaurant Ryuzu』(フランス料理)
東京・六本木『EdiTioN Koji Shimomura (エディション・コウジ シモムラ)』(フランス料理)
石川・金沢『つば甚』
東京・浅草『Nabeno-Ism(ナベノ-イズム)』(フランス料理)
東京・銀座『青空(はるたか)』(鮨)
東京・麻布十番『麻布 かどわき』(日本料理)
東京・駒場『TSU・SHI・MI(ツシミ)』(フランス料理)
石川・金沢『日本料理 銭屋』(日本料理)
東京・銀座『銀座小十』(日本料理)

【3トック(15~16.5点)】

東京・三田『日本料理 晴山』(日本料理)
東京・銀座『アロマフレスカ』(イタリア料理)
東京・銀座『銀座とよだ』(日本料理)
東京・浅草『レストラン オマージュ』(フランス料理)
東京・西麻布『ル ブルギニオン』(フランス料理)
東京・広尾『ア・ニュ ルトゥルヴェ・ヴー』(フランス料理)
東京・白金台『TIRPSE (ティルプス)』(イノベーティブ・フュージョン)
東京・北青山『リストランテ ホンダ』(イタリア料理)
東京・南青山『レストラン フウ (Restaurant FEU)』(フランス料理)
東京・日本橋室町『ラペ (La paix)』(フランス料理)
東京・恵比寿西『TACUBO(タクボ)』(イタリア料理)
東京・西麻布『壽修』(日本料理)
東京・麻布十番『天麩羅 たきや』(天ぷら)
東京・西新橋『新ばし 笹田』(日本料理)
東京・丸の内『レストラン モナリザ 丸の内』(フランス料理)
東京・渋谷『くろ﨑』(鮨)
東京・白金台『ルカンケ』(フランス料理)
東京・南青山『リストランテ山崎』『イタリア料理)
東京・赤坂『乃木坂しん』(日本料理)
東京・南青山『すし処 海味』(鮨)
東京・日本橋『Restaurant Sant Pau(レストラン サンパウ)』(スペイン料理)
東京・芝公園『レストラン クレッセント』(フランス料理)
東京・神宮前『湖月(こげつ)』(日本料理)
東京・愛宕『精進料理 醍醐(だいご)』(精進料理)
東京・西麻布『Crony (クローニー)』(フランス料理)
東京・神宮前『ラドニス』(フランス料理)
東京・銀座『L’homme du temps signe a nu (ロムデュタン シニエ ア・ニュ)』(フランス料理)
東京・広尾『アムール』(フランス料理)
東京・神宮前『Ysm (イズム)』(フランス料理)
東京・広尾『Ode (オード)』(フランス料理)
東京・麻布十番『天ぷら前平』(天ぷら)
東京・新富『鮨 はしもと』(鮨)
東京・千駄ヶ谷『Sincere (シンシア)』(フランス語)
東京・紀尾井町『紀尾井町 三谷』(鮨)

【2トック(13~14.5点)】

東京・阿佐谷南『鮨 なんば』(鮨)
東京・銀座『ラール・エ・ラ・マニエール』(フランス料理)
東京・江戸川橋『リストランテ ラ・バリック トウキョウ』(イタリア料理)
東京・代官山『RISTORANTE YAGI(リストランテ ヤギ)』
東京・南青山『リストランテ ペガソ』(イタリア料理)
東京・荒木町『青華こばやし』(日本料理)
東京・南青山『イル・テアトリーノ・ダ・サローネ』(イタリア料理)
東京・銀座『リストランテ・クロディーノ』(イタリア料理)
東京・河田町『小笠原伯爵邸』(スペイン料理)
東京・初台『レストラン アニス』(フランス料理)
東京・五本木『ボンシュマン』(フランス料理)
東京・神楽坂『ラ・トゥーエル』(フランス料理)
東京・白金台『リストランテ ラ プリムラ』(イタリア料理)
東京・北青山『日本料理 太月』(日本料理)
東京・二子玉川『㐂邑(きむら)』(鮨)
東京・恵比寿西『翁』(そば)
東京・南青山『鮨 ます田』(鮨)
東京・銀座『割烹 智映』(割烹料理)
東京・新宿『オステリア オリエーラ』(イタリア料理)
東京・銀座『銀座 安達直人』(日本料理)
東京・恵比寿南『モリ (mori)』(フランス料理)
東京・恵比寿『レストラン ヒロミチ』(フランス料理)
東京・上原『セララバアド』(イノベーティブ・フュージョン)
東京・六本木『旬の味 いち』(日本料理)
東京・丸の内『ANTICA OSTERIA DEL PONTE(アンティカ オステリア デル ポンテ)』(イタリア料理)
東京・銀座『鮨 あらい』(鮨)
東京・南青山『南青山 いち太 Ichita』(日本料理)
東京・東麻布『Sublime(スブリム)』(イノベーティブ・フュージョン)
東京・渋谷『MONOLITH(モノリス)』(フランス料理)
東京・西麻布『erba da nakahigashi (エルバ ダ ナカヒガシ)』(イタリア料理)
東京・西麻布『Margotto e Baciare(マルゴット・エ・バッチャーレ)』(イノベーティブ・フュージョン)
東京・渋谷『LATURE(ラチュレ)』(フランス料理)
東京・白金『ラ・クレリエール』(フランス料理)
東京・丸の内『HEINZ BECK(ハインツ・ベック)』(イタリア料理)
東京・西麻布『西麻布 拓』(鮨)
東京・西麻布『Alternative (オルタナティブ)』(フランス料理)
東京・白金台『Ristorante Senso (リストランテ センソ)』(イタリア料理)
東京・西麻布『Takumi』(フランス料理)
東京・八丁堀『ステッソ ア マガーリ シック』(イタリア料理)
東京・西五反田『不動前 すし 岩澤』(鮨)
東京・恵比寿西『レクテ』(フランス料理)
東京・上原『Gris(グリ)』(イノベーティブ・フュージョン)
石川・金沢『金澤プレミナンス』(フランス料理)
東京・西麻布『La BOMBANCE (ラ・ボンバンス)』(日本料理)
東京・千駄ヶ谷『L’Octave Hayato KOBAYASHI(ロクターヴ ハヤト コバヤシ)』(フランス料理)
東京・新橋『Cofuku(コフク)』(イノベーティブ・フュージョン)
東京・西麻布『料理屋 こだま』(日本料理)

【POP】

東京・銀座『蕎麦 流石』(そば)
東京・南青山『& ecle (アンドエクレ)』
東京・銀座『リストランテ エッフェ』

【番外編】『アストランス』×『カンテサンス』、夢のコラボイベントが実現

ゴエミヨ_12

『カンテサンス』岸田周三シェフ(写真左)と『アストランス』のパスカル・バルボシェフ(写真右)。撮影:ポケットコンシェルジュ編集部

2017年12月3日、「ゴ・エ・ミヨ」企画で実現した、『アストランス』と『カンテサンス』のコラボイベント。『アストランス』のパスカルシェフは、2005年「ゴ・エ・ミヨ」フランス版で「今年のシェフ賞」を受賞しており、その当時スーシェフを務めていたのが、今回5トックに輝いている『カンテサンス』の岸田シェフ。そんなお二人がタッグを組むのは15年ぶりで2度目となり、「ゴ・エ・ミヨ」企画としては初めての開催。ペアリングは全て、協賛する「ドンペリニヨン」のワインがふるまわれ、豪華な夢のコラボイベントとなった。

イベントは昼と夜の2部制で行われ、各種関係者を始め、東京、京都などで有名な料理人が一堂に介し、終始穏やかなムードで会が進んだ。メインの食材は全て国産のものを使用しており、デセールまで含めると全15品、ワインは7杯の構成。パスカルシェフ、岸田シェフそれぞれ別々の皿を担当し、二人のシェフの個性溢れる料理が繰り広げられた。

ゴエミヨ_13

(写真左上)

Tartelette Parmesan / Poire パルミジャーノタルト・洋梨

Petite Balle KAGA RENKON 加賀蓮根のプティボール

 

(写真右上)

Croque Astrance truffe noire クロックアストランス・黒トリュフ

アストランス流のクロックムッシュ。トリュフの香りを移したバターをトーストに染み込ませ、黒トリュフとサン・ネクテール(セミハードチーズ)をサンドして焼いた一品。

(写真左下)

Coquille Saint-Jacques et beurre de kombu ホタテ貝と昆布バター

ホタテ、牛の骨髄を蒸したもの、柚子のコンフィなどに、昆布をピューレにしてバターと合わせたもので構成。フランス人シェフらしい組み合わせが印象的。

(写真左右)

Hamo et Asperge verte 鱧とグリーンアスパラガス

夏の時期よりも脂がのった徳島県産の鱧を骨切りして皮の面だけさっと炙る。そこにパルミジャーノ・レッジャーノ、オーストラリアのグリーンアスパラガス、香ばしく焼いて砕いたフランス・グルノーブルの胡桃を合わせた、岸田シェフの一皿。

 

ゴエミヨ_14

(写真左上)

Anguille Fumée, Kohlrabi et bouillon anchois 鰻のスモークとアンチョビのスープ

薄くスライスしたコールラビ、燻した鰻をフレッシュのラビオリで包んだ一皿。合間に別添えしたカツオだしを飲みながらいただくという、パスカルシェフの独自の感性が光る。

(写真右上)

Cheval et Champignon sauvage 馬肉と野生のキノコ

ニンニクなどを加えてソテーしたキノコの上に、生ハムのような味わいの馬肉をのせている。

(写真左下)

Butternut, yuzu,club バターナッツ、柚子

温かい毛ガニのほぐした身、発酵させた小エビのペースト、ホウレン草、その上に牛乳をシート状に固めたもので覆い、バターナッツカボチャのスライスとピューレをのせた岸田シェフの一皿。
(写真右下)

Trippe hyuuganatsu トリッパ・日向夏

カリカリになるまで香ばしく焼いたトリッパ、ソテーにした日向夏に、黄ピーマンをピューレにしたソースを。岸田シェフの一皿。

 

(写真右上)

Soupe de Ciboule ネギのスープ

山形県産の甘みのあるネギを、鶏のブイヨンと野菜を合わせてスープに。仕上げに1時間ほど焼いたネギとオイルを合わせたネギ油を。岸田シェフの一品。

(写真右下)

Homard, poireaux, miso blan / beurre noisette

オマール海老、西洋ネギ、白味噌、ヘーゼルナッツバター

オマール海老の表面に、オマール海老から抽出したエッセンスをつめたものを表面に塗ってキャラメリゼにしたパスカルシェフの一皿。小麦粉を薄く伸ばしてローズマリーを練りこんだチュイルを添え、白味噌と焦がしバターにローズマリーを加えたソースでいただく。

(写真左)

Col-vert 青首鴨

言わずと知れた『カンテサンス』の火入れが楽しめる一皿。青首鴨を大きな塊でオーブンに出し入れし、3時間かけてじっくりと火を入れている。そば粉のクレープ、金針菜、ゴボウのチップを添え、ソースはフォンドヴォーをベースに乾燥させたイチジクの葉で香りをつけたもの。

 

(写真左上)

Mousseline de pomme de terre et glace vanilla

ジャガイモのムースとバニラアイスクリーム

デーセールの一品目は、バニラアイスの上に、ジャガイモの温かいムースをのせたもの。温冷の差が楽しめる絶妙な味わい。

(写真右上)

Chataigne 栗

新潟県産の氷温熟成された栗を潰して栗のパウダーを振り、型にいれて焼いた一品。渋皮煮にした栗のピューレを合わせたアイスクリームをのせている。

(写真左下)

Tartelette au citron レモンタルト

南フランスでよく食べられる「タルト・オ・シトロン」をパスカルシェフがアレンジ。メレンゲとレモンクリームを合わせてさわやかに仕上げている。

(写真右上)

Lait de poule au jasmin ジャスミン風味のエッグノッグ

Madeleine マドレーヌ

 

ペアリングのワインは以下の通り。


~Les Vins~
2009 Dom perignon
2009 Vournay sec
2005 Saint Joseph
甲州樽発酵 ソルオリエンス (Sol Oriens)
1997 Chateau Rieussec
2010 Gevrey Chambertin
2000 P2

 

〈イベントを終えて〉

授賞式のインタビューで、「日本に来ると新たなアイデアが生まれてくる」とパスカルシェフが話されていた通り、日本の食材を使い、その組み合わせや食べ方、ソースの使い方などに食べ手としても新たな発見があった。そして、本場フランスでも日本の食材が使われるようになった昨今において、「フランス×日本」のコラボこそが、フランス料理をさらに進化させる要素の一つではないかとも感じた。「ゴ・エ・ミヨジャポン」第二弾の開幕にふさわしい、素晴らしいイベントで、今後のレストラン業界の発展に大きく貢献していただけることを期待したい。

 

Gault & Millau

2017年12月12日 発売の「ゴ・エ・ミヨ 東京・北陸・瀬戸内2018」(本体2,500円+税)。発行はガストロノミー・パートナーズ株式会社
※画像をクリックするとアマゾンのページにジャンプします。

【取材・文】白石直久
【撮影(人物)】キミヒロ
【撮影(料理)】ポケットコンシェルジュ編集部