LINEで送る
Pocket

「名店会議」とは、レストランに関するさまざまな事柄に対して、私たちが普段から何気なく話している会話をコンテンツにしたものです。毎回、誰かの投げかけに対して、語り合います。

※このブログは、社内のオンラインランチミーティングが開催された際の会話をまとめています。

“居心地”をつくるのは、スタッフから生み出される空気感

N.S. 最近改めて思うんだけど、みんな「いい店」と口癖のように言うけれど、「いい店」ってなんだろうね?

M.O.  個人的には居心地が良い店だと思います。某有名鮨屋の大将がおっしゃっていたことに共感したことがあったのですが、それが「料理がおいしいのは当たり前で、それプラス、お店に来て良かったなと思ってもらわないとダメなんですよ」という言葉で、確かにそうだなと。「お店に来て良かった」というのは、つまり居心地の良さを提供できているかどうかだと思います。鮨屋だとカウンター商売なので、雰囲気や、ほかのお客さんの客層もかなり重要ですよね。大将のプレゼンテーションに対して、周りのお客さんも一緒に盛り上がれる、みたいな。

N.S.  そうすると「居心地」というのは、お客さんを含めた空間そのものが心地よいってことかな?

M.O.  そうですね。例えば、最近よく通っている宇田津さん(宇田津 鮨)は、ランチは8,000円で握りをやっているんですけど、味はおいしく、大将も良い方で、お客さんの雰囲気も良い。無理をしないで通えるのがいいですね。私の中では、おまかせで1~2万円で、月1~2回通える店がベストです。

N.S.  M.O.さんの考える「いい店」は、通えて、値ごろ感があって、客層を含めた空間が良い店って感じかな?

M.O.  そうですね!

N.S.  K.O.さんは、どう思います?

K.O.  個人的には店の空気感ですね。空気感がどこから生まれるかを考えたときに、スタッフ間の仲の良さが挙げられると思います。夫婦でやってる店なら夫婦の仲の良さ、みたいな感じになると思うんですけど、仲が良いほうが呼吸も合ってパフォーマンスが上がるだろうし、そういうものって、お客さんに伝わるじゃないですか。例えば『La BOMBANCE (ラ・ボンバンス)』に行くと、スタッフの熱気が伝わってきていいなと思います。鮨屋だとスタッフがあまりいなかったりするので、大将とお客さんでそれが醸し出るのかなと。

N.S.  M.O.さんが言っていた「居心地」にも通ずるものがありますね。

A.H.  スタッフでいいなと思うのは、オマージュさん(レストラン オマージュ)!ご夫婦で営業されていて、料理人の方も何人かいるんですけど、お店を出るときに夫婦で出てきてくださって、くしゃっとした笑顔でお見送りしていただけたのですが、その時にすごくほっこりするなと思ったのと、またここに、ほっとしに帰って来たいなと思えるお店です。

S.F.  スタッフから生み出される空気感でいうと、ペシコさん(pesceco)が好きです。素敵なご夫婦で営業されているのですが、2人のお人柄だけではなく、お店の雰囲気もいいので、それらが相まって居心地の良さにつながっていますね。

あと、最近食通の方に人気のむら上さんが、兄弟2人で営業されているのですが、2人ともキャラクターは違うのに、阿吽の呼吸で進んでいく仕事運びはすごく心地よいです。

N.S.  ペシコさん、行きたいんだよなあ。Y.S.さんは「いい店」とは何だと思います?

人気店のサービスに共通するのは“察する力”

Y.S.  私がいつも着目しているのは、スタッフのサービスですね。お客さんの機微に気づいて、その場の空気を崩さずに、こちらの来店目的をちゃんと理解しているかどうかが、「いい店」の判断基準になっています。例えば男性と食事に行くときに、彼氏なのか、上司なのか、空気で分かって対応してくれるお店はさすがだなと思います。『フィリップ・ミル 東京』などの、ひらまつ系のお店は、接客の際の声のボリュームが適度で他のテーブルに聞こえないくらいで物事を確認されているので、配慮が行き届いているなと。

カウンターのお店であれば、大将とお客さんの距離感だけではなく、大将がお客さん同士をつなげて、店全体を和やかな雰囲気にして、料理が出る間の「間」を上手く埋めているお店はさすがだなと思います。特に喜楽さん(鮨処 喜楽)が上手ですね。

N.S.  なるほど。サービスに関しては、ほかにもありそうですが、M.O.さんどうですか?

M.O.  私もY.S.さんが言ってたみたいに、状況を察する力があるお店はサービス力が高いなと思います。例えば、かどわきさん(麻布 かどわき)は、何も言わなくても対応してもらえるというか、サービスの女性の方もしっかりされていて、何度か行きましたが素晴らしいサービスでした。かどわきさんでは、カウンターも個室も利用するのですが、個室の時も、店員さんを呼ばなくてもある程度気づいてくれたりしますし、そうでなくても扉の後ろに控えていただいているので、「すみません」と呼んでから待たされる状況がほとんどないですね

そのほかは、『abysse(アビス)』にも何度か行きましたが、顧客情報を把握したうえで、状況を察したサービスをされているお店だと思います。

N.S.  Y.S.さんが言う「お客さんの機微に気づく」、M.O.さんが言う「察する力」、共通していますが、これはすごくわかる!

M.O.  ほかには、田がわさん(御幸町 田がわ)は、事前に共有していなくても、話の会話の中から結婚記念日を察してお祝いしていました。富山の山崎さん(日本料理 山崎)も、お客さんに対する気持ちはすごく強いと思います。富山の店は全体的にそんな感じがしますね。人柄の良さなのかもしれません。

N.S.  そういえば、木山さんで食事をしたときに、横に座っていた夫婦の奥様の誕生日を、事前共有がなくてもさりげなくお祝いしていたなあ。さすがだと思った。

M.O.  和久傳系の店は、どこも「いい店」ですね!

N.S.  たしかに!和久傳出身だと、ふじやまさん(銀座ふじやま)も良かった。

M.O.  あとは、豪龍久保さんのアレルギーに対する応用力がさすがだと思いました。

N.S.  応用力?

M.O.  私は牛肉がひどいアレルギーなので、予約時にそれだけ伝えているのですが、牛乳も少しアレルギーなんです。でもあまりアレルギー伝えるとお店にも負担を掛けてしまうのと、アナフィラキシーで死ぬほどひどいわけではないので、牛乳くらいなら我慢して食べるのですが、その話を個室で仲間内での話をしてた時に、若いスタッフがそれを聞いてくれていたみたいで、デザートの時に私の分だけミルクを使用してないデザートで出していただきました。

N.S.  なるほど。気が利くスタッフがいるかどうかが重要ですね。S.F.さんはどうですか?サービスに関して。

S.F.  私も店主やスタッフの方がお客さんと向き合っているかどうか、が重要だと思います。例えば、ペシコさんは、1回の営業で2組までに絞っていて、夜はカウンターだけなので、私が一人で行っても必ず向き合って気持ちが通う接客をしていただけます。そうするとすべてのお客さんが満足度高く帰れると思います。

あと、お客さん同士をつなげる話が出ていましたが、これはかなり大事だと思います。お客さんが多いと、スタッフの方も対応できないときあるがあると思いますが、その際に相性が良さそうなお客さん同士を配席しておくことで、孤立する方が出ることなく、みなさん気持ちよく食事ができますよね。以前、一心鮨さん(一心鮨 光洋)に食事に行ったときに、私と相性がよさそうな方を隣に配席していただけました。それだけでなく、コースが始まる初めのほうで、「S.F.さん、こちらは〇〇の方で~」と紹介してくださって、すごく心地が良かったのと、やはり客層は大事だなと感じました。

N.S.  話を聞いていると、いくつかの共通項が出てきましたね。その中でも「人」に関する意見が多かった。なんとなく話している「いい店」とは、“体験がいい店”という感じでしょうか。

まとめると、「いい店」とは、おいしい料理を適正な価格で提供しているだけでなく、気が利くスタッフがいて、そこから生み出される食空間に居心地の良さを感じることができる店、って感じかな?

全員 そんな感じだと思います!

N.S  なんかしっくりきた。そろそろ時間ですね。お疲れ様です!

全員 お疲れ様です~

本編で登場した、ポケットコンシェルジュ掲載店舗一覧

東京 宇田津 鮨

東京 La BOMBANCE (ラ・ボンバンス)

東京 レストラン オマージュ

長崎 pesceco(ペシコ)※空席は不定期

熊本 むら上

東京 フィリップ・ミル 東京

東京 鮨処 喜楽

東京 麻布 かどわき

東京 abysse(アビス)

京都 御幸町 田がわ

富山 日本料理 山崎

京都 木山

東京 銀座ふじやま ※空席は不定期

東京 豪龍久保(ごうりゅうくぼ)

宮崎 一心鮨 光洋

【構成】白石直久

【イラスト】佐藤良江

LINEで送る
Pocket