オープンから1年半経たずに初登場で
有名ガイドブックで2つ星を獲得した和食のお店があります。
それが三田に居を据える「晴山(せいざん)」というお店ですが、
食べログでも4.17の評価でTOP500にラインクインしているなど、
すでに名実ともに予約が取れないお店の仲間入りを
果たしていると言えるでしょう。
そこで「予約が取れないお店をもっと身近に」をコンセプトに
サービス展開を進める私達はこの人気店、「晴山」の店主である
山本晴彦さんにインタビューをさせて頂く機会を頂戴しました。
簡単にプロフィールをご紹介しますと、
もともと岐阜にある「たか田八祥」という日本料理の
有名店で修業をつまれてきた方で、なんと25歳の若さで
店長に就任しているという実績を持っています。
2店舗、店長として責任を果たしたあと岐阜から拠点を
東京に移し、2011年6月に自身のお店、晴山を立ちあげました。
31歳という若さでの独立でありながらも、先に
ご紹介したように凄まじい結果を出し続けている
店主、山本晴彦さんの一面を以下のインタビューから
感じて頂ければ幸いです。
•今日はよろしくお願いします。早速ご質問ですが
昔から自分のお店を出したいと思っていたのでしょうか?
はい、岐阜県でずっと修業を積んできたのですが、
ゆくゆくは東京で独立したいと思っていました。
私は栃木県出身でたまに東京に遊びに行く度に華があると思っていたので、
お店出す時は東京で勝負をしてみたいとずっと考えていました。
•なるほど、仰る通りですね。東京は世界中から美味しいものが
集まってくる街でもありますしね。ではなぜ、料理人になったのですか?
両親が共働きで、お腹がすくと昔から自分でご飯を作っていました。
また父が家庭菜園をやっていて、11歳位から家庭菜園の野菜などを
自分で料理していた。料理本なども自分で購入して勉強していましたね。
家庭に並ぶご飯が和食が多かったこともあり、和食の本をよく読むようになっていました。
その流れで今があります。
•昔から和食が身近なものだったんですね。
「晴山」という店名の由来を教えて頂けますか?
私は山本晴彦が本名で、そこから文字をとっての「晴山」です。
他のお店は自分の名字から店舗の名前をとることが多かったりするのですが
私の場合、それだと少し固い印象がしたため下の名前もいれました。また既存の日本料理に
捕らわれない崩したイメージと料理に大切なチームワークでお店を創りあげたい想いもそこにはあります。
•そういった想いがあったんですね。個性的な店名のロゴからもその想いが
伝わってくる気がします。岐阜のお店では店長として2店舗を経験されたと思いますが、
独立した今、その点について何か変わったことはありますか?
特にありませんね。気負わずに、真摯にお客様のことだけを考えて
変わった事なくやっています。とはいってもやはり自分のお店、責任が全部自分なので、
そういった意味では従業員に対してなど、以前よりは多少責任を感じるようになりました。
•自分で起ち上げたお店ですし、そう感じますよね。修業を積んでの独立だと思いますが、
どのような時に料理を作っていて幸せだと感じますか?
お客様に楽しいと言われた時や、笑顔を見れた時ですね。
美味しいものを提供するのは当たり前。ご飯を食べた後に、
楽しかったと言われるととても嬉しいです。また、美味しいものがある時に、
喧嘩する人はまずいません。逆に美味しくないものだと、
雰囲気がおかしくケンカしてしまうこともある。
そういった意味で、笑顔のお客さんを見れるのはとても嬉しく感じます。
•おお、フロリレージュの川手シェフも同じことを以前仰っていて
ビックリしました。その他にお客様に対して気をつけていることなどありますか?
お客様の席の配置には特に気を使っていますね。
どうしてもお客様同士の席が比較的近くなってしまうカウンターの席の際、
コース料理の優劣がわかってしまうのはお客様も楽しめないと思うので、
テーブル席とカウンターの配置に気をつけていますね。
•なるほど、確かにそうですね、実際にお客様の立場に立ってみないと
わからない所にも気を使われているあたりがさすがです。ちなみにコースには
3つの種類がありますが、食材と品数の違いはどちらに趣をおいていますか?
食材ですね。7000円、1万円、1万5千円のコースとなり、
1万円、1万5千円のコースが一品多く、食材も良いものを扱います。
来て頂くお客様にはその瞬間を100%全力の妥協なしで、
料理を提供しているため、ぜひとも1万円、1万5千円の良いコースを
選んで頂き満足してもらいたいと思っていますね。
ここ最近は、1万5千円のコースが1番人気です。
•メニューやレシピはどのくらいの頻度で更新されているのですか?
全て私が2〜3週間の頻度で見なおして最も美味しい食材を活かせる
メニューへ変更しています。季節の旬を意識したり、常連のお客様を
飽きさせないことは勿論ですが、作っている方もいつも同じ食材やレシピを
手にしていると、飽きが生じます。作り手側も目を輝かせてワクワクしながら
料理を提供できる環境であることが私は大事だと思っています。
•仰る通りですね。お客様に楽しんでもらうためには、まずは自分たちから。
楽しみでいうと山本さんは休日は何をされていますか?
必ず外に料理を食べにいきますね。(ただし、ジャンクフードは食べない)
和食・フレンチ・イタリアン・中華・寿司とジャンルは問わずに食材の使い方や、
加熱の方法等、参考になるなと思ったものは、全部取り入れるスタンスで
新しい料理に接しています。
また、私のお店は懐石とうたっていません。日本料理というカテゴリーで、
自由な表現を行っていきたいと思っており、お肉が最初に食べたいという
お客様がいたら、ぜひ応えていきたいと考えています。
お客様に笑顔になってもらうためには柔軟性が大事だとおもいます。
•もう2012年も終わりですが、来年の豊富はありますか?
まだまだお店を開いて1年半。来年は地盤固めの年だと思っています。
お客様の声で、取入れるべき所は対応していくものの、
自分の信念をぶらさずに意見に振り回されすぎないことも大事だと考えています。
常連のお客様はもちろん、もう一度来たいと思ってくれるような方が
1人でも増えるように地道に頑張っていきます。
•私達も全力で応援します。最後に今後の展望を教えてください。
晴山で料理を提供て、お客様が喜んでくれていることが今1番楽しいと感じています。
独立する前は、大きく店鋪展開も考えていたが今その想いはほとんど無くなりました。
それよりも今は弟子が6名いるので、そういった若手を育てていきたいですね。
•山本さん、ありがとうございました。
以上、三田にある日本料理のお店、「晴山」の店主
山本晴彦さんのインタビューをお届けしました。
独立後すぐに人気店の仲間入りを果たしたにもかかわらず
非常に謙虚な姿勢でお客様のことを真剣に考えていたのが印象的でした。
また食べログに載っている写真をみてもわかると思いますが
インタビューでも「柔軟さを取り入れたい」と語っていた通り
とてもユニークな日本料理が味わえるお店になっています。
「極めて美味であり遠回りをしてでも訪れる価値がある料理」という
有名ガイドブックでの評価をうけた33歳の店主が率いる晴山、
これからの進化が楽しみです。
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