和食のジャンルの中に「懐石料理」と「会席料理」というものがありますよね。
同じ読み方をするこの2つ、実は全く違う種類のものであったとご存知でしたでしょうか?今回は「懐石料理」と「会席料理」の違いを簡単ではありますがおさらいさせて頂きます!
Pick up topics |
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1.懐石料理とは |
2.会席料理とは |
3.なぜ同音異義語になったのか |
4.現在の懐石料理 |
懐石料理とは
懐石料理は実は茶道から産まれており、茶の湯の際のメインであるお茶を頂く前にもてなされる食事の事を指します。
茶道の心である侘び・寂びを料理として表現しており、「旬の食材を使う」、「素材の持ち味を活かす」、「心配りを持っておもてなしをする」という三大原則を掲げています。
一汁三菜を基本としており、現在の和食のマナーにも深く密接している料理となります。飯と汁は食事の最初に提供されます。
会席料理とは
会席料理とは、宴席にてもてなされる料理のことを指します。
懐石料理と同じく一汁三菜を基本としておりますが、懐石料理と違い、飯と汁はお食事の最後に提供されます。また、懐石料理はお茶を嗜むために頂くお食事に対して、会席料理はお酒を嗜む為のお食事という位置づけになります。
本膳料理という形式が廃れた現在では、儀式にてもてなされる一般的な料理形式となっています。
なぜ同音異義語になったのか
全く種類の違う懐石料理と会席料理、何故同じ音になったのでしょうか。
実は懐石料理も元々は「会席」と記されていました。しかし、禅宗と深く関連している茶道において、禅宗の厳しい修行の際に、空腹や寒さを一時的にしのぐ為の「温石(おんじゃく)」、懐に石を入れるという行為が由来となっています。
懐石料理は、会席料理と違い、お茶の前の一時的な空腹を満たす少量の食事が基本となっています。
現在の懐石料理
現在の懐石料理は安土桃山時代や江戸時代と違い、お茶会にて振る舞われる為のお食事という役目は薄くなっています。現代ではお茶会の為のお食事は「茶懐石」とも呼ばれてもいます。
また、旧来懐石料理は量が少なかったため、量の少なめなコース料理としても定着しつつあり、現在では欧風懐石という言葉も出てくるようになっています。
いかがでしたでしょうか。元は同じ言葉でもあった「懐石料理」と「会席料理」。茶道に関連する禅宗の風習によって漢字が変わったというのは驚きですよね。
富小路やま岸

懐席 桝ざき

和味 大輔

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